Part1では、早く帰るためのマインドやテクニックを紹介しました。
会社に依存しないためには、やはり、力(=スキル)が必要です。
Part2とPart3では、スキルについて書いていきます。
いろんなスキルがあります。スキルをあいまいに漠然と捉えるか、具体的に捉えるかで、人生が変わると言っても過言ではないと思います。
スキルについて
大きく分けて2種類のスキルがあります。
ポータブルスキル
アンポータブルスキル
ポータブルスキル
- 持ち運びできるスキル
- 汎用性の高いスキル
- どんな環境でも活かすことができるスキル
- 特定の業種や職種、時代背景に囚われないスキル
アンポータブルスキル
- 専門知識
- 専門技術
- 以前に使われていた古いハードやソフトのスキル
- 会社や職場独自のスキル
- 社長や部長といった権力者に気に入られるスキル
スキルのバランス
会社に依存しないようにするためには、意識してポータブルスキルを高める必要があります。
※スキルは無限にありますが、スキルを学ぶ時間は有限です。長期目線で取捨選択しないと、時間をかけて身につけたスキルも「その場」「その時」で、まったく使い物にならないこともあり得ます。意識して見極める必要があります。
アンポータブルスキルが不必要とは言っていません。
所属する職場での専門知識や専門技術、そういった尖ったスキルを磨けば磨くほど、唯一無二の存在になることができます。尖ったスキル(アンポータブルスキル)があれば成果が出たときに目立つので、高い評価を得ることもできるでしょう。
逆に、ポータブルスキルだけしかない人は、「なんでもできるが、役には立たない」という評価をされがちです。組織に属して成果を出したければ、両方のバランス(比率)が大事で、尖った専門性(アンポータブルスキル)も必要でしょう。
アンポータブルスキルに偏りすぎると想定外の事態(会社の倒産やリストラ、転職が必要な状況等)が起きた時に、外では通用しない可能性があります。
アンポータブルスキルは、人それぞれ大きく異なるので、これがオススメ!とは決めにくいですね。
以降は、アンポータブルスキルには触れず、ポータブルスキルについて触れていきます。
ポータブルスキル
ポータブルスキルが高いということは、どこに行っても誰とでもやっていけるスキルが高いということになります。部署異動や転職に有利で、最低限度の賃金が守られると言えるでしょう。
オススメのポータブルスキルと内容を説明します。
特に汎用度が高いものには を付けました。
オススメのポータブルスキル
IT活用能力
ライティングスキル
データ活用スキル
プレゼンスキル
思考術
タイムマネジメント
コミュニケーション能力
会計スキル
IT活用能力
企業や会社によって異なると思います。
IT活用能力の具体例
OSの操作や基本的なアプリが使える。
ファイルやフォルダの管理・圧縮・解凍ができる。
メールの送受信。CC,BCCなどの扱い。
メールの送受信やフィルタの設定。WEB(検索、地図、翻訳、その他)の活用
周辺機器の設定、ドライバの設定、トラブルシューティング
ある程度早く入力できる。
コピペ、カット&ペースト、ドラッグ&ドロップ
キーのショートカットCtrl+A, Ctrl+X, Ctrl+C, Ctrl+V, Ctrl+Z, Ctrl+B, Ctrl+P, Win+E
ブラインドタッチ、ブラインド10キー
オフィスソフトの基本的な操作ができる。
ワード・エクセル・パワーポイント
・ワード:書式設定、表や画像の挿入
・エクセル:表の作成や四則演算、SUM、AVERAGE関数。データのフィルタリングやソート
・パワポ:資料作成、表の挿入、画像の挿入、配置。インデント等。
ワードの段落設定、エクセルの関数・ピポットテーブル
IT活用能力の磨き方
パソコン教室に行って実際に操作してみる、本や雑誌をみながら操作してみるなど、興味を持ってパソコンに触れていくと、その触れた時間に比例してスキルが向上します。
パソコンを動かしてみて、思ったように動くと納得することができ、習得が進みます。
逆に、思ったように動かないのに、あいまいなまま納得せずに進めると、習得が進まないです。
ライティングスキル
文章力。
あらゆる場面で文章を書くことがあるので、非常に汎用性の高いスキルです。
このスキルが低いと、報告や記録をすることが多い職場では、どんどん仕事が溜まってしまいます
苦手な方は、しっかり鍛えていかないと、負担になる可能性が高いです。文章は書けて当たり前と思われることも多いからです。
ライティングスキルが高いというのは、読みやすい、分かりやすい、趣旨が簡潔明快、論理的、不快な気分にさせない感じです
また、書く速さも重要です。遅いと、他の仕事の時間を圧迫しかねないです。
ライティングスキルが使われる場面
●日報や週報、ケース記録
●企画書や提案書
●メール
●アピール文書
・エントリーシート、履歴書や職務経歴書(就職や転職の時)
・目標設定シート(社内での評価の時)
ライティングスキルの磨き方
センスがいい人は、書けば書くほど自然にスキルを伸ばしていきます。
初心者でも、「読みやすい」「分かりやすい」「論理的」「趣旨が明快」「不快な気分にさせない」ということを意識して書くことで、ライティングスキルが磨かれていきます。
初心者がライティングスキルをアップさせる方法
書く。毎日書く。
単純ですが、外せません。書かないと磨かれません。
毎日書く。それが習慣化できれば「書く」が当たり前になり、自然とできるようになります。
机に向かって紙と鉛筆、パソコンで書けるほうがいいですが、なかなか時間がとれない場合は、通勤途中の電車内や、スマホで書くなど工夫してみてください。
見せる。
書いたものを他人に読んでもうとたくさんのメリットがあります。まずは、他人に見せると意識することで、よく見せようという意識が働くのがGoodです。また、良い感想をもらえるとやる気もあがります。ここをこうしたらいいよと自分では気づくことができなかったアドバイスやフィードバックをもらえると書く力が伸びていきます。
ブログを書いてみるのは非常に有効な手段です。もちろん、スキルを磨くことだけでなく、いろんなメリットがあります。
読む。ぱくる。真似する。
最初から上手な文章は書けません。書くのが上手な人は、本を読むのが好きな人が多いです。本やブログなどで良い文章にたくさん触れ、表現力や語彙力を真似してみましょう。
「上手な文章やなあこれ!」「こんな風に書けるようになりたい!」というライターを見つけて、その人の記事を片っ端から読んでみましょう。そこで使われている表現や語彙を、自分のものにできるでしょう。
文章の型を知る。
文章には、読みやすく、わかりやすく伝えるための型があります。それを押さえると、初心者でも一定レベルで書くことができます。
結論(ゴール)を設定して、理由を1つずつ伝える。文章が論理的になると、読む人の納得感が増していきます。
データ活用スキル
情報を処理するスキルと言うと堅苦しいかもしれませんが、データを活用するスキルもポータブルスキルとして有用です。
どうすれば、目の前のデータから情報を引き出せるか。例えば、伝票があるだけで整理されていなければ、ほしい数値がすぐに出せません。必要に応じて、データを溜める箱を作り、データを入れ、データを加工する。加工したデータを、分析・比較し、先の見通しを立てるなど…
数値を扱う、計算をするなど少し理系的な要素があるので、抵抗ある方もいます。
でも、基本的な考え方だけでも知っておくと、効率よく再現性の高い仕事ができるようになります。
データを効果的に活用するには「入力、処理、出力」を意識する必要があります。
input(入力)・・・必要なデータを効率よく集める
- 表やデータベースを作る。
その際に、後でデータを加工・処理することをイメージしておく。 - 入力の手間が少なくして、わかりやすい(わかりづらくならない)ようにする。
processing(処理)・・・データを加工(データを適切な状態にする) する。
- 表からデータを取捨選択する
- 表のデータを並べなおす
- 表からデータを抜き出す
- 表のデータとデータを計算する、、、など
output(出力)・・・処理したデータを並べなおす。配置する。
上記3つのプロセスを経たデータを比較・分析などすることにより、データを活用する。
データ活用スキルが必要なケース
例1:請求書の作成
時給(or単価)と工数(作業時間)から工賃を計算する。:入力/処理
交通費などの諸費用を計算する。:入力/処理
月末に、工賃と交通費を集計し、請求書を作成する。:処理/出力
請求金額等、お客様用にわかりやすいよう、プリントアウトする。:出力
例2:先の見通しを立てる
売上や原価から利益を計算する。
・データを効率よく蓄積するために、先を見越して、表(orフォーム)を作る。
・作った表に売上と原価のデータを蓄積させる。
入力(input)スキル!フォームや表の作成。データ蓄積。
・蓄積されたデータ(売上と原価)から、利益や原価率を計算する。
処理(processing)スキル!蓄積されたデータを加工。
出力(output)スキル!例)利益や原価率の昨年との比較、比較結果のグラフ化。
実際にはoutputするだけでは意味がなく、それを次につなげていくことに意味がある。結果を分析し、それを踏まえて見通しを立て、計画を立て、発展させていくなど。
データ活用スキルの磨き方
やみくもにインプットしても最終的なアウトプットにつながらないと無駄になってしまいます。
最終的なアウトプットを見越して、インプット、処理、アウトプットをどうするか考える。要は最初の時点でアウトプットまでを設計しておく必要があります。
こういったプロセスがあると知りながら、データ処理をするだけで、思考が整理しやすいだけでなく、スキルが磨かれていきます。
インプット | アウトプットに必要なデータを集める。 どのデータを集めるか、どういう表に入れるか、表をいくつ準備するかなど |
処理 | アウトプットに向けて入力データを加工する。 足す、掛けるなどデータを計算する、関数を使う、作る、表から条件を指定して抜き出す |
アウトプット | データの羅列ではなく、見る人にとって必要な情報をわかりやすく見せる。 処理した結果から新たな表を作る、データを並べ替える、配置する、強調や色で装飾する |
追加、更新、削除、抽出(条件で抽出したり、表と表をつなげる、クエリー)
好きな人、得意な人は関数やマクロ、バッチ処理、プログラミングをマスターし、自動化する仕組みまで構築できるとパワフルです。
得意・不得意が極端に分かれる可能性がある。特に苦手意識がある(文系の)方は無理に頑張らず、避けてしまってもいいと思います。得意な人に任せてしまいましょうw
ここではざっくりとポイントのみを説明しました。
もちろん、詳細に説明するとなるとブログでザーッと説明できる範囲ではないですね。資格になっているような知識もあるので、しっかり身につけるには書籍やスクールなどで学ぶ必要があります。
プレゼンスキル
資料をまとめて人前で話すというのが本質ではなく、プレゼンした結果、聞いた人が動くプレゼンスキル。
資料を作る、説明して理解してもらう、だけではほとんど何も変わらない。
聞いた人にどう動いてもらうかという目的を明確にして、シナリオを考え、資料を作成し、発表する。
プレゼンスキルと説明
資料を作成するスキル:記憶に残る、引きつける、「まとめ」で具体的な行動を起こさせる
プレゼンテーションスキル:意識は無理だが、行動は変えられる。心理的な手法を駆使する
プレゼンスキルの磨き方
PDCAのDCAを回す。
DOが最も大切です。経験に勝る学びはない。
Checkつまり振り返りは重要です。他者からフィードバックをもらう。内省する。このとき目標が達成できたか(聞いた人が動いた、動いて結果が出た)という観点で振り返ることが大事です。
そしてAction!改善を繰り返し、プレゼンするごとにレベルを上げ続けていく。
はよ帰ろ~ Part3 スキル編Ⅱに続く
Part3では、スキル(思考術)を説明します。